君の心
どうやら、家の火はリンのおかげで消えたらしい。



しかし依然として家の周りが騒がしい。



「すいません、何の騒ぎなんですか?」



三人は、人混みをかいくぐって騒ぎの中心に入って行った。



「フレア!?なんでそんなとこいるんだよ?」



すると周りがいきなり、こちらに向かって罵声を浴びせ始めた。



「お前さんたち、こいつの仲間か!?近寄るな!汚らわしい!」



なんのことか分からない…



フレアはよく見ると、ところどころに痣があり、初めて会ったときと同じ冷酷な眼差しで周りを睨みつけていた。



「この魔女め!この家を燃やそうとしたんだろ?ほら、私がやりましたって言えよ!言っても許してやんないけどな!」



ある男がフレアの頭を抑えつけ、無理矢理地面にひれ伏せさせる。



フレアはその瞬間に顔面についた泥を拭いながら、私はやってない。と言い放った。



「おい!やめろよ!フレアが何したっていうんだよ!」



ライは周りに怒鳴り散らし、レットは男を殴り飛ばし、フレアを庇うように後ろに隠した。



「なんなんだよ。よってたかって弱いものイジメか?集団でしか、言いたいことも言えないのか?恥ずかし過ぎて、鳥肌が立つね。もう行こうぜ!」



この場から立ち去ろうとして、リンを連れて行こうとした。



「近寄るなっ!」



さっきまで一言も発しなかったリンが、いきなり大声を出した。



「さようなら。」
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