君の心
「大変だー!火事だ!」



この街の住人であろう男が、叫んでいる。



男が走ってきた方向を見ると、一軒の家が炎に包まれている。



「大変だ!火を消さなきゃ!」



そう言って、リンは走り出した。



「お前っ!危ないぞ!お前が行っても危険なだけだ!」



ライは必死に止めようとしたが、リンはニヤっと笑い、得意そうな顔をした。



「これでも、水の魔法少しは使えるんだよ。」



リンが何やら呪文を唱え始めると、頭上から水滴がぽたぽたと降り注いできた。



「あ、雨…?」



レットは両手で雨と思われるものを確認する。
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