君の心
「あの男?誰だよそいつ!?」



戦争の裏側にある真実、俺たちはこの時はまだ何も知らなかったんだ。



「ああ、名前も知らない謎の男に、不思議な石を見せられた。それを見た途端心を奪われたよ。」


世界の異変がそいつによって起こされているのならば、俺たちはとんでもないやつを相手にすることになるんではないか。


周りがざわつき始めていたことに、俺たちは気づいていなかった。



兵たちは次々に王への不信感を抱き始めた。



「お前の欲望のために、俺たちは無駄な戦争をしていたのか?!」



兵たちは遂に反乱を始め、王に剣を向けた。



「やめろ!!!」



ズブッ…



鈍い音と共に、鮮血がポタポタと滴り落ちた。



「リン…すまない。フレア…許して…く…れ」



王は最後にそう言って、亡き者となった。



唖然としたまま動かないリン。



血を流すほど、唇を噛み涙をこらえるフレア。



俺たちにはどうすることも出来なかった。



「リン…?!」



リンはあまりのショックに気を失ってしまった。
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