蒼がみえる星
*1*


「はぁ、はぁ…もぅ、無理。」


長い間走っていたのか彼女の額には大粒の汗が浮かんでは、流れている。


辺りは真っ暗で灯り一つない森の中…


限界を迎えそうな足を震わせながらそれでも必死で動かしては更に奥へ入っていこうとした。


その時後ろの方からガサガサと草を分ける音がした。


「どこへ行った!」
「これだけ走ってるんだ、もうじき見つかるさ。」
「俺は向こうを探す。」
「俺も…………」


!!!!


複数の男の声が聞こえる…

こっちに来るかもしれない。

どうしよう、どうしよう……


慌てた私はすぐ近くにある茂みに取り敢えず身を隠した。


息を整えてからまた走ろう……


ハー、フー。
よし、そろそろかな…――

先程より楽になった体を屈め一歩後ろにさがった……

バキッ、ドサッ……―


「いっ…」


痛い痛い痛い!
痛さで声がでないなんて…情けない。


「おい!何か音がしたぞ。向こうだ。」


…声……出さなくて良かった〜。
それにしても、せっかくここまで来たのに……―。


何かわからないが木が折れる音と共に体が浮いた。そしてすぐに衝撃がやってきた。


私は痛さと疲労でいつの間にか意識を手放してしまった。


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