美女と野獣!? ~モテない男と、美女のキセキの恋~
「有難う…江利子」

そう言って江利子を抱きしめた。


すっかり冷えたダウンのコートは勿論、僅かに触れた江利子の頬も冷えていた。

「一也、絶対に受かるよ。

こんだけ一生懸命やったんだからさ。」

俺の背中に江利子の腕が廻った。


「俺、絶対に合格してみせるから。

そしたら四月から、一緒に暮らそうな。」


「うん…。」


名残惜しいけど、江利子の体をゆっくり離した。


「じゃあ、あたし帰るね。
追い込みの邪魔したら悪いし。」


「駅まで送るよ。
危ないから。」


「ううん、大丈夫。
お父さんにつんで来てもらったの。」


指差してる方を見ると、50M程先に白いセダン車が停まっていた。


げっ…まさか、見られた?


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