PURE



彼女とは1年の時に同じクラスだった。



ろくに学校も行かず、クラスの人たちの顔と名前を覚えていなかったのにも関わらず、彼女の印象的な笑顔だけは覚えていたのだ。



そして、彼女は学校でいじめを受けていることを告白した。



それでも彼女は前向きに生きようとしていた。



あたしの目からは涙が溢れていた。



あたしは、何て馬鹿なことしてたんだろう…。



ただ、人を傷つけ、世界を頭の中から消失させようとして、あとに残っていたのは惨めなあたしだけだった。



あたしは強いんじゃない、弱いんだ―。



その日、あたしは先輩方から受け継いだ薔薇組を黙って脱退した。



そして、あたしは彼女を守ろうと心の中に固く誓った。



彼女があたしを守ってくれたように。





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