Kissシリーズ・「命のキス」
部長の背中を優しくさすった。少しでも震えが止まるようにと。

「もうっオレの見てないところで泳ぐな」

「はい、分かりました」

「絶対だぞ?」

「分かっています。人口呼吸なんて、二度と部長にやらせませんから」

「えっ、いや、それは…」

「…はい?」

急にうろたえ出した部長。

すると顔を上げて、真っ直ぐに私を見る。

「キスは…イヤじゃないから」

「キス…ではなくて、人口呼吸です」

「それでもキスだろっ?」

…まあそう言えない事もないけど。


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