神様のきまぐれ
起きぬけで、
どうかと思ったけど、
礼を言う機会を考えれば、
今しかなくて。

声をかけた自分に、
彼は、振り返り、
ニッコリ笑んだ。

それは、
ヒナコの笑みと
そっくりで。

「ああ、おはよう。
起こしたかな?
すまないね。」

そう、小声でいった。

「いえ。もう、
お出かけですか?」

「そう。今日は、
本土にいくからね。
知人の船で、送って
もらうんだよ。」

彼は、扉に手をかけた。


「日向くん、
少し、話さんかね?」

「あ。はい。」

突然で、戸惑いつつも、
うなずく。

二人で、坂道を下る。

・・・二日酔いに、響く。


ものすごい振動。


「日向くん、ヒナの事、
どーするつもりをしてるかの?」

「えっ・・・?」

ものすごい直球を
ぶつけられる。

「君が、ヒナの恋人だね?」

更なる追い撃ち。

正直、今は答えづらい。

が・・

「あー・・・と。」

一瞬にして、昨夜の会話や、
事務所がヒナコに送っていた
写真や雑誌の事をおもいだす。

やっぱ、
正直に・・・話そう。


体を重ねた事は、さすがに
様々な影響を考えて省いたが、
これまでの経緯を、なるだけ
簡単に明確に話した。



 
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