神様のきまぐれ
「志央、どうしたの?
音、まずい?」

PAからも、確認がはいる。

「なんでもないよ。」

日向さんが、
志央の代わりに答えた。


「そうだ

皆集めてくれ!」

志央が、指示を突如だす。

「コウジさんのカノジョが、
コーラスで参加してくれる事に
なったから。
皆に紹介するね。」

ニッコリ笑んだ
その人懐っこい笑顔の、
フロントマンの指示に、
スタッフが動く。


「・・・あっ・・と。」


私たち二人だけが、
立ち尽くす・・・。



「・・・・・

あとで・・・

俺から
説明しておくから。

・・・皆には。」

力なく、彼は言った。

「・・お願いします・・・。

あの・・・

私・・・

何で、日向さんに、
迷惑ばっかり
かけてるんでしょう・・?」

思考が、
完全に停止して、
思わず、言葉として
あふれてしまった。


「さあ・・・な。」


彼は、ため息混じりに
応えるだけだった。






 
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