キミノウソ ボクノウソ
二人の言葉が重なったとき森の中を風が通り過ぎた。

森が揺れる。
僕らを隠すように。


僕ら以外を振り払ってしまうように…―



本当に隠せないんだな。

あまりにも素直に理解してしまった僕に笑いが込み上げて来る。


「夾。もう今日は終わりだ。続きは…また」


「明日は、教室に来るの?」

「気が向いたらな」


でも、きっと彼女は分かってる。


明日の僕の行動を。



いいよ。
久しぶりにワクワクする。



飽きるまで、付き合ってあげる―――
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