3人の き も ち

◇◆◇



黙ったまま帰路に着く。
いつもと同じ。

でも今日は――


「じゃあな。来週から部活出るから。」

「うん、頑張ってね。」

「…あのさ、」


忘れろ。


本当はそう言いたい、けど…。


映樹の言葉の続きを待っているのか、うつむいている早苗の表情が見えない。

「…なんでもねー。」


ザリッ

砂を踏んで立ち去ろうと動いた映樹に、早苗が反応した。
さっと上着の裾を掴んでくる。

「どした?」

柔らかく問いかけてみるが、当人は驚いた顔をしていた。

どうやら無意識に手が動いたらしい。
あわてているのが伝わってくる。



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