3人の き も ち
ドアは開けっ放しにしておく。
机に、1m程の高さの本棚、壁ぎわにはベッド。
フワフワなカーペットが敷いてあって、その上には小さな座卓とクッションがある。
男の子のわりに、片付いている部屋。
座卓の前に座って、正面の窓から見える空を眺める。
ふ、と 一息ついたところで、お盆にココアの入ったカップを乗せて、えっくんが部屋に入って来た。
「お待たせ。」
ドアが開いているので廊下の向こうから、時々荷物を運ぶ人や物の音が聞こえてくる。
「わりぃな、ばたついてて。」
「ううん、大丈夫だよ。模様替えか何かあるの?」
「……いや、…ちょっと、居候が…」
なんだか、歯に物の詰まった言い方が、その居候にいわく有りげな感じで…。
「何かあるの?」
「…ん、まあ、いいよ。やろうゼ」
ホラッ教材だせよ、そう言って。
えっくんは、ココアを飲むと自分の教材をとりだした。