3人の き も ち

ドアは開けっ放しにしておく。


机に、1m程の高さの本棚、壁ぎわにはベッド。

フワフワなカーペットが敷いてあって、その上には小さな座卓とクッションがある。


男の子のわりに、片付いている部屋。



座卓の前に座って、正面の窓から見える空を眺める。

ふ、と 一息ついたところで、お盆にココアの入ったカップを乗せて、えっくんが部屋に入って来た。

「お待たせ。」



ドアが開いているので廊下の向こうから、時々荷物を運ぶ人や物の音が聞こえてくる。


「わりぃな、ばたついてて。」

「ううん、大丈夫だよ。模様替えか何かあるの?」

「……いや、…ちょっと、居候が…」


なんだか、歯に物の詰まった言い方が、その居候にいわく有りげな感じで…。


「何かあるの?」

「…ん、まあ、いいよ。やろうゼ」

ホラッ教材だせよ、そう言って。
えっくんは、ココアを飲むと自分の教材をとりだした。



< 13 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop