3人の き も ち


年の瀬も迫る 貴重な休みの日。

「やっぱり平日でも混んでンなぁー。」


美術部の芹沢先輩がポソ、と呟く。



あの日中林先輩が、宮越君と部活以外での接点が持ちたい。と、私と穂杉君に相談してきて。

なら、宮越君に気付かれない方法で、皆でさりげなく出掛けよう。
そんな話になって。

それから場所、メンバーなど、穂杉君と私の2人で色々決めて。



今日、みんなでアミューズメントパークに来ていた。

小春日和と言えども、マフラーと手袋が必要ないだけで、コートがないと外には居られない。

丸テーブルを挟んで椅子に座る芹沢先輩は、ホットコーヒーに口をつける。

私の右隣、1人分空けて座る穂杉君は、お茶のカップを両手で掴んでいる。



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