3人の き も ち



一ヶ月間の対外試合(練習も含む)への出場禁止。

二週間の部活動、参加停止。

三日間の自宅謹慎。



それが、映樹が受けた個人的な処分だった。


部の問題として扱われなかったのは、ひとえに伸の『遊びの範疇で軽い兄弟ゲンカ』という一言が大きかった。



それでも影響はあちこちに飛んでいたらしく、四日ぶりに登校してみると好奇の視線が、多々むけられているのを感じた。

「よお!」

背中を叩かれ振り向くと、同じクラス、部活仲間の真島 圭吾が笑っていた。

「圭吾か。」

「久しぶりー、不機嫌さ増してンじゃん。」

「うっせーよ。」

あはは、と面白そうに声をたてて笑う相手に、チロっと一瞥して映樹は昇降口に向かう。

「色々 覚悟しなよ。人の噂も七十五日ってね。」

それだけ言うと、圭吾は先に校舎内へ入って行く。

後を追うかたちになった映樹は、苦虫を噛んだ様な表情を浮かべ、ノロノロと教室へ向かった。



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