【短編】ギター少女とヘビースモーカー
「はよーございまーす」
「おーっす 全然お早くねーぞー」
今日はカイザーと一緒じゃないんだ
「気づいたら…昼だったんで」
チャリにまたがったまま、渡辺先生の前に足をついた
「まあ、5・6限だけでも来たのはエライな」
「はぁ… まあ」
休もうかと思ったけど、物理と数学だったから……まあ
行ってもいいかなって思って
青い空と、くっきりしたコントラストを描いてる入道雲
私なんかいないみたいに、向こうむいてスパスパ吸ってる
「それ、そんなにおいしいんですか?」
「べつにー」
へー そうなんだ…おいしくはないんだ
おいしくないのに、こんな頻繁に吸わなきゃなんなくなるって…どんな感覚なんだろう
「先生」
先生は、まだキレイな空の方を見てる
セミの鳴き声がうるさい
こんなに暑いのに、先生は汗一つかいてない
「それちょっとください」