Kissシリーズ・「真面目なキス」
けれどいつも真ん中の順位のあたしは、彼と同じ大学に進むにはこの夏を犠牲にしなければいけない。

「あ~あ。海行きたいなぁ、お祭り行きたいなぁ」

「そういうことは順位を上げてから言え」

すっかり家庭教師モードに入っている彼。

…今思い出しても、不思議。

何でいきなりプロポーズ?

「…ねぇ」

「何だ? どこが分からない?」

「プロポーズされたこと」

あっさり言うと、彼はキョトンとした。

「学生結婚なんてアンタらしくないじゃん? いつものアンタなら、絶対就職して安定してから言うもんだと思ってた」
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