【短編】空より広く、海より深く
「…どうかしたの?」

声が震える。

動揺しているのが
伝わってしまいそうで
俯いた。


「飯でもどうかなと思って
…いつ帰るかわからないから
こんな時間に来たんだけど」

「……樹も一緒でいい?」

「もちろん」


笑って門倉は即答した。

顔を上げると
門倉はまっすぐみのりを
見ていた。

「…」

「何時に帰るの?」

「え?…あの、
あと2、3日はいようと思って」

「そっか
じゃぁのんびりできるな」

「うん……あ!
…着替えてもいい?」

自分の姿を見下ろせば
サンダルにノースリーブ
Gパンの家着スタイル
だったことに気付く。

「いいよ」


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