おばかに恋する性悪王子


「は、恥ずかしいから、准でっ!!」



って言われて、そのあと俺の持っていた荷物を奪い、女子寮へと走っていった留茅。



すれ違いざまに見えた留茅の横顔は真っ赤で、俺は心臓が高鳴るのを感じた。


そして、俺自身の頬も赤くなってくる。


え、なんだこの気持ち。


初めての気持ちに戸惑う俺。
恥ずかしい訳でもなく、
ただ、愛おしいような…



その時、気づいたんだ。




俺は、このちび、碧伊留茅に恋してるって。




まさか、会ったその日に恋するなんて。
…ましてやちびでアホくさい女だし。

中学で、散々美人な先輩や可愛い感じの後輩に告白されてもなんとも思わなかった俺が、一目惚れ…か。



今のところ、留茅の俺に対しての印象は最悪だろう。


でも、いつか絶対おとしてみせるからな。



俺は、そのまま走り去る留茅の背中を目で追いかけながら、そう誓った。






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