咲いても、枯れても1~サクラ色~



『鈴ちゃん、可愛いもの。好きな人とかいないの?』




つい、気になる。





『い、居ませんよ。私は、西条家に仕える身分、それに白純美様のメイドですから』




少し、声が揺れた。



けれど、ますます気になる。




鈴ちゃんの言ってることが、まるで“恋をしちゃいけない”ことを示しているから。





『鈴ちゃんたちって、恋とかしてはいけないの?』



『はい。仕事に差し支えてはならないので。しかし、明仁様と雅様は気にしなくていいと言って下さいます』




西条家、だから?



こんな大きな家に仕えて、恋も制限されて…




私だったら、きっと無理。




西条家は、明仁さんと雅さんだったから良かったけれど、きっと他では無理なのよね。




普通の恋、など。



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