醒め逝くY

低くて優しい声だった。


だけど私はこのままだと大希に振られる

と感じた。


彼の言葉に今の自分は嫉妬に耐えるより

彼と別れることの方がずっと辛くて苦しい

だろうと思った。


「別れたくない」


咄嗟に私は彼の胸にしがみ付いた。


きつく閉じた私の目には、燃え立つような

紅葉の赤の残映が広がっていた。




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