醒め逝くY
崖っぷちに立たされた様な気分の私を
彼は優しく受け止めて包み込んでくれた。
私の額に唇を寄せて柔らかく触れた後
何も言わずぎゅっと抱きしめてくれた。
この時、私は、自分の家庭については
大希に全く話していなかった。
そしてもうずっと話すことはないだろうと
思った。
私は常々、何で大希が若い子ではなく
私のようなおばさんと不倫して
いるのだろう?と思っていが、この時
少し分かったような気がした。