初恋ドロップ


「まったく。単純なんだから!うふふ。」


保健室の先生は、新しい制服をもらってはしゃいでいる私の姿を見て呆れながら笑った。


本当に私って単純。笑




「だけど!学生章がないわよ。」


あの深い緑色のバッチ。

「うちの学校は服装検査が厳しいってことで有名なのは知ってるわよね?」


「はいっ。今日、学校が終わったらすぐに買いにいきます。」


「そうしなさい。あっ!もう行かないとホームルームにまで間に合わなくなるわよ!」



時計を見ると、あと10分でホームルームが始まる時間になっていた。




「ヤバッ!!!じゃあ行ってきます。先生、本当にありがとうございますっ!」




保健室の先生に深く頭を下げて自分の教室へと向かった。



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