彼の隣りに寝る女
卒業前の

私の20才のバースデー

1人さみしく過ごした。

実家にいるときから

誕生日をお祝いしてもらった記憶がない。

父親が浮気中のときは母はそれどころではなかったり

両親がうまくいってる時も2人でパチンコに出かけてしまい結局私は1人留守番。

ケーキどころか夕飯もカップめんだったことがあった。

だから、1人は平気だった。

平気なふりをしてた。

本当は寂しかった。

内くんからの電話を期待してたけどこなかった。

私は誕生日を機会にお店をやめた。

そのことを内くんに伝えて気持ちを再度確認したくて3週間ぶりに連絡をとった。

内くんはすぐに私の部屋に来てくれた。

「ひな、こんな服もってたっけ?」

私が着ていた服をみて

そう言って笑ってくれた。

私は素直に疑問をぶつけた。

「どうして私たち別れちゃったの?」

「ひなが僕のこと好きじゃなかったからだよ」

「好きだよ」

「どうして別れ話したときに、ヤダって言わなかったの?」

「・・・。内くんが嫌だと言ったお店やめたの。」

「もう遅いよ、俺他の子と付き合ってるんだよ」

「ケイちゃん?」

「知ってたの?」

「橋ちゃんから聞いた」

人の気持ちがそんなに簡単に動くものだと思ってなかった。

悲しすぎて、今までプライドを保ってきた私が崩れた。

内くんの前で嫌だと泣きじゃくった。

「もうすぐパチンコ店は辞めるよ。おじいちゃんのお店を手伝うことにした。だから引越する。ケイも一緒に。」

衝撃的だった。

こんな短期間で同棲の話までしてたなんて!

「ひなが原因を作ったんだよ。お正月に実家に帰ったとき電話くれなかった。そのさみしさがケイと出会うきっかけになった。空港まで迎えに行ったとき、ひなが喜んで抱きついてくれることを想像したのにしてくれなかった。大雪の日だってもっと感動してくれると思ったのに・・・」

何も言えず、ただ泣きくずれた。

内くんは今まで見せたことのない私の感情に戸惑いながらも

「帰るよ、ごめんね」

そう何度も繰り返し、私が返事をしないことにあきらめて帰って行った。

内くんは出て行ったあとも私は泣き続けた。
< 15 / 24 >

この作品をシェア

pagetop