彼の隣りに寝る女
一生懸命、寝起きの頭を働かせるが

何度確認しても夢ではなく現実だった。

こんな漫画やドラマで見るような光景

彼氏の隣りで女が寝ている?

驚き、悲しさ、衝撃、屈辱

いろんな感情がまざり手が震えた。

これ以上一緒にはいられらない!

女に抱きつかれ眠る内くんを横目に

涙をこらえながら隣りの部屋に移動した。

サイテー

純粋な人だと思っていたのに。

私のことだけ愛してくれてると思ってたのに。

もう会いたくない。

とりあえず早くこの家を出なきゃ。

出て行く準備をしていたら、内くんとケイちゃんの会話が聞こえた。

「お前なんでいんだよ!くっつくなよ」

そう内くんが怒鳴るのが聞こえても、私にはそれは演技にしか思えない。

「ひな!」

内くんが私を探している。

急いで着替えた。

「どこ行くんだよ!」

「こんなところにはいれない。どうしてケイちゃんが家にいるのよ?」

「知らないよ。オレが聞きたいよ。」

「でも会ってたってことでしょ?いきなり家にきたりしないよね?合鍵もってるんじゃないの?」

「だから知らないって」

「どうして出てけって言わないのよ?」

「だって・・・あいつが強引に。」

これ以上話をしていても拉致があかない。

早く家を出なきゃ。早く・・・

バッグを手に持った瞬間

おなかに激痛が走った。

「痛い!」

半腰曲げた状態で動けなくなった。

「ひな!どうした?」

「おなかが痛い」

私の中途半端な格好に

冗談だと思って顔が少し笑っている内くん。

この痛み誰のせいよ!私は一生この人を恨むだろうとその時思った。

「痛いっ・・・・」

「救急車呼ぶか?」

痛くてしゃべれなくなってしまった。



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