甘い蜜
おかしい。こんなの香山家じゃない。
どこに行った?あの寒々しい雰囲気は。
どこに行った?親父の冷たい目は?
「…………いいご両親だね」
「麻理亜……」
俺の隣に座る麻理亜は俺の両親を眩しそうに見ていた。
恐らく比べているのだろう。
自分の親と。
「麻理亜ちゃん、だったわね?」
「は、はいっ」
にっこりと母さんが麻理亜に笑いかける。
「そんな緊張しなくてもいいわ」
「……はい……」
「まさか、敬夜が連れてきたのがこんな可愛い子とは思わなかったけれど……」
チラッと俺を一瞥する。