甘い蜜
「先生がいいなら……ここにいたい…」
「ん」
「本当に、いいの」
迷惑じゃないの。と聞いてくる。何も言わない生徒が居てもと。
そんなのどうでもいい。山内は何も悪くないし、悪いのは俺だ。
「好きなだけ、居ればいい」
「………先生」
「敬夜」
「え?」
「家では名前で呼べ。麻理亜」
いいな?と圧力をかけてみると、暫く考えた後小さく頷いた。
「麻理亜」
「………敬夜、さん」
「上出来」
俺は、麻理亜の頭を撫でて、その額に軽く口づけを贈った。