甘い蜜
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「………こんなとこで何してるんだ」
「不機嫌だな」
今日も麻理亜は出掛けた。今日はいつもより楽しそうだった。
俺はまた苛立ちを高めながら出勤する。しかし、出勤すると会社の前に黒い高級車。
「何の用だ?………龍」
「お前に用があってな」
いつも無表情な龍が可笑しそうに口元に弧を描いている。
「なんだ。俺は忙しい」
「意外と短気だったんだな」
こいつは……お前は俺を怒らせにわざわざ来たのか?
俺は拳を握りしめた。