甘い蜜
でもそれは一瞬で、ホッとしたような、嬉しそうな表情になる。
「………腹減ったな」
「準備出来てるよ」
「麻理亜は食べたのか?」
「まだだよ」
待っててくれたのか。
なんだか不思議な感じだ。
誰かが家にいて、待っていてくれる。
それがこんなにも嬉しいなんて。
用意するね、と麻理亜は俺から離れていく。
「麻理亜」
「?」
「ありがとう」
「ありがとう?」
「否……着替えてくるな」
麻理亜に笑いかけてから、俺は一先ず寝室に向かった。