甘い蜜
車が曲がってゆっくりになった。
どうやら目的地についたみたい。
窓から覗くと、天までつきそうなくらいに上の終わりが見えないホテルだった。
「ついた」
「ここ……?」
「ん」
敬夜さんが先に降りて、私に手をさしのべる。
その手を取って車から降りるとさらにその建物が大きく思えた。
敬夜さんはそのまま私の手を引いて中に入っていく。
「いらっしゃいませ」
「予約していた香山だ」
「お待ちしておりました」
支配人みたいな人が頭を下げて私達を誘導する。
綺麗なホテルだ。
頭上遙か上にはシャンデリア。従業員も気品漂う人ばかり。
私が敬夜さんに連れてこられたホテルの中で一番と思えるくらい。