甘い蜜
リビングに入った所に突っ立っていた俺に気付いた麻理亜は、手を休めて近付いてきた。
「おはよう」
「おはよう……もう、大丈夫なのか」
「うん。熱も下がった」
薄く微笑みを浮かべる麻理亜に、俺は自分の手を麻理亜の額に伸ばして、確かめる。
「………大丈夫だな」
「ありがとう。看病してくれて」
「当たり前のことをしただけだ」
そういうと、麻理亜は笑みを深める。
「風邪、移ってなきゃいいな」
麻理亜は、一度台所に戻って、いつも通りに珈琲を淹れて持ってきてくれた。それを受け取って、一口飲む……やっぱり旨い。