甘い蜜



定番な品から珍しい品まで作る麻理亜は凄いと思うが、これは少し作りすぎだ。


「大家族なら丁度いいかもしれない、なくらいだぞ」


親父も母さんも年だからあんまり食べないだろうし。


そう諭してやると、そうだね、と麻理亜は頷く。


「じゃあ、これまで」


麻理亜は、今作っているのまで、と言うと作るのを再開した。
俺はそんな麻理亜をじっと観察した。


いつもより楽しそうに作っている。時々鼻歌を歌いながらフライパンを扱うその姿をカメラに残したいな、とふと思った。


「………今日は、いつもより機嫌がいいな」

「新年だからだよ」

「そうか?」


うん、と麻理亜は頷く。


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