甘い蜜
4人でテーブルを囲んで料理を食べる。
「敬夜と麻理亜ちゃんはこの後どうするの?」
母さんが聞いてくる。
この後、勿論すぐに帰って……
「まだ決めてないです」
けろりと麻理亜が答えた。
「まあっじゃあ、初詣にいきましょう?」
良い提案とばかりに母さんは手を叩く。
「否、母さん……「いいですね!」
麻理亜は俺の言葉を遮って明るい声で同意する。
「………麻理亜」
「うん?」
麻理亜は、卵焼きを口に入れながら俺を見る。
お前の中には、家でゆっくりと俺と過ごすという選択肢はないのか。