甘い蜜
「どこに行くんですか」
「ふふっ知り合いのとこよ」
楽しみだわ、と母さんは手を合わせる。
「一体何なんだ」
「いいから」
にっこりと笑う母さんは、なにを聞いてもついてからの一点張りで答えをくれなかった。
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「おめでとうございます」
「は、い?」
「ご懐妊ですよ。3ヶ月です」
「……3、ヶ月…?」
連れてこられた場所は病院の産婦人科。その診察室の一つで告げられた言葉に俺も麻理亜も言葉を失う。