チキン彼氏を救出せよ!!
「というわけ。」
麻耶は長々とした語りをそう締めくくった。
うーん…。
「神田くん、災難だったね。」
あたしが普通の声で喋ると神田くんは恐る恐るあたしのほうを向いた。
「…南野さんは、俺のこと好きじゃない?」
「うん。」
するとパァッと顔を輝かせ、満面の笑みを浮かべる神田くん。
「本当?
よかったー、ぶりっ子女じゃないんだね!!」
「う、うん…」
なんか…
あの話を聞いたら可哀相しか出てこなくなってしまった…。
「坂城の友達はいい奴だなっ!!」
「そうだよー。」
麻耶はニコニコしながら答える。
「麻耶…。」
あたしは小声で麻耶を呼ぶ。
「ん?」
「なんかあたし可哀相で自然に振る舞えないんだけど…。」
「えー、そんなん大丈夫。
神田可愛いからすぐ守りたくなっちゃうよ、きっと。」
麻耶はニコニコしながら言った。
守りたくなる?
そういえば…
中学のとき麻耶はリーダー格と口喧嘩したんだっけ…
神田くんのために。
って、こんな大人しめキャラなのに!?
麻耶って…
何者?