コスモスの記憶
第1章


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「アオーっ、もう朝よ!!早く起きなさいっ!!」

「んんぅっ…………、はぁい……。」


眠いまぶたを腕で擦って、目覚まし時計で時刻を確認する。朝の8時。いつもどおりの時間。
ベッドの上で起き上がり伸びをする。


「んんーーーっ、今日もまたあの夢見ちゃったなぁ……。」

(なんでいっつも同じ夢見るんだろう?
何か戦国時代みたいな景色だったけど…。最近そんな感じのドラマとか見たっけかなぁ?
しかも、大体同じ場面だし………。う~~~~んっ………。)

「アオーっ、朝ごはんあるから早く食べちゃってよ!?」

「はぁい!!すぐ行くっ!!」

(考えてたって仕方ないか。まぁ、そのうち思い出すよね。)


思い直したアオは、ベッドから出るとそのまま1階のリビングへと向かうべく部屋を出た。


「よぅ、アオ。はよ。」

「あぁ、薫ちゃん、おはよう。今帰り?」

「まぁな。てか、たまにはお兄ちゃ~んてかわいく呼べないのかよ。」

「やだよ、キモいじゃん。」

「ま、そうだな。」


部屋の前に立っていた少女、アオに声をかけたのは、今階段を上ってきた兄の薫(かおる)。
兄の薫は、朝だというのにも関わらず、派手なスーツを着こなし、そのスーツからはブランド物であろう女物の香水の香りが放たれていた。


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