繋がれた天使〜Siori and Mitsuki〜


でも、そうじゃなかった。


「あすかじゃなくて

 ホントの名前で呼んで…」


「…何ていうの!?」


「…栞。 藤井 栞。」



「しお…り?

 栞…しおりっ!」



「光基…キスして?」



あすか…いや、栞の唇に

俺の唇を重ねた。



舌を差し入れると

栞も答えるように

温かな舌を絡めてくる。



俺の背中に回した

栞の腕に力が入る。



長いキスで

お互いの体温を確かめたあと、

栞が身につけていた

唯一の布を剥がす。



俺は

栞の体のひとつひとつを確かめるように

舌を這わせた。


「みつ…き…」

栞はそれに敏感に反応する。



栞が充分に潤んでいる事を確かめると、

俺はゆっくりと

自身を栞に埋めていった。


栞…俺…

夢みたいだ…

俺…好き…だ…



俺と栞は

ひとつになった。
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