蒼い月

すれ違い


「飛鳥っ...!
一体どうしちゃったの?」

「瀬戸内、すごい剣幕だったけど...」



あそこまで言ったのに。


まだまだあたしの心は落ち着かなくて



「・・・何でもないよ」



微笑んでそう言った。


でもあたしの心はまるで


氷のように感情もない冷たい心だった。



「そっか!
そういえば今日のテスト、
大変だったんだよ!」

「でも勉強してればできたし...」

「有沙とは違うの!」



いつものように騒いでる、


そんな笑と有沙が今日は妙に...


大人びて見えた。



「あたし...晴輝にひどいこと
言っちゃった・・・」

「「え?」」



2人が驚いた顔で聞きかえす。



「本当は..もっと明るく言いたくて。
もっと応援してあげたくて。
なのにあたし・・・
冷たい言葉しか出てこなくて・・・」

「瀬戸内のアメリカ行きのこと?」

「え?」



何で知ってるの?



「ごめんね、何も言わなくて。
あたしたち知ってた。
瀬戸内から相談されてたの」
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