蒼い月
【晴輝side】
「関係ないけど...なに?
結局は逃げてるんじゃん。
夢から、現実から逃げてる。
晴輝ってそんな弱虫だったんだ。
ほんと見損なった」
飛鳥?
何でお前の目はそんなに冷たいんだよ。
お前なら分かってくれる、
そう思ってたのに。
「...お前に何の権利があんだよ」
もう何もかもどうにでもなれ。
「え?」
「お前に何の根拠があって
そんな偉そうなこといえんだよ!」
俺らはもうちょっと分かり合ってるって
そう思ってた。
でも。
そう思ってたのは俺だけだったのかよ。
「たしかに逃げてるかもしれない。
弱い奴かもしんねえ。
けどお前に関係ねーだろ?
もう...他人だろ」
『他人』
そんなこと言いたくなかった。
俺が1番口にしたくなかった関係。
そんな俺は、出て行った。
逃げてるようで。
いや確実に逃げていて。
俺は行き場のない想いを胸に
ただただ涙が頬を伝った・・・