蒼い月

キャッチボール


放課後、部活が終わり


笑とは方向が違うため


そのまま別れ、歩き出す。


夏だから日暮れはある程度


遅いし、1人でも全然問題なし!


いつもの川原を通るとき


ある人影が見えた。


野球...やってる...?


いつもは誰もいないのに...


誰だろー?


興味本意で近寄ってみると


何だか見たことのある人影・・・


これはもしや・・・



「あれ?飛鳥?」

「ゲッ!」



・・・はい、予想通り。


あたしはシカトして


自分の家方面へと歩く。



「ゲッって何だよ、ひでぇー」

「はい、私はひどい女です。
なので金輪際、近寄らないでください。
以上、それじゃ」

「・・・マジ?
飛鳥ってそんなキャラ?
ヤベー、つぼった!!」

「いや、つぼられても・・・」



ふいに後ろを向くと


大爆笑している瀬戸内の姿が。


うわー、やっぱりこいつ


いつ見てもかっこいいわ。


しかも夕日がバックに....


nice angle!


こんなとこで野球してないで


さっさとジャニーズなればいいのに。



「あっ!なぁなぁ!
今から俺のキャッチボール
手伝って!」

「は...?何であたしが...?」

「いや、そのへんにいたから」



最悪。


超めんどくさい。


しかもよりによって


何であいつのキャッチボールなんか・・・



「頼むよ~!
俺、遅れてる分頑張んなきゃいけねーし!」



へぇ・・・


意外と影で頑張る奴なんだ。



「・・・いいよ。
手伝ってあげる」

「マジ?
さんきゅ~、超助かる!」



影で頑張るなんて意外といい奴


なのかもしれない。


そう思ったあたしは、


手伝ってあげることにした。
< 7 / 70 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop