【完結】先生との恋





「……見つけた…っ!」



その人の顔を見た瞬間




あたしは、声に出ない悲鳴が喉から出た。


だって……ここにいるはずのない人があたしの後ろにいる。



……なんで?



どうしてここに?





頭が混乱しているけど、


とにかく自分で立とうと足にしっかり力を入れた今でも腕を離そうとしてくれない。




むしろ、さっきよりも強い力で掴まれて……痛い。


「……なんで?」


やっと発する事の出来た声も擦れててちゃんと聞こえたかどうかも分かんない。


…どうして高橋がここにいるの?


目の前の高橋はいつものような真面目な顔付きであたしを見下ろしている。



いつもと違うのは白衣をしてない、私服だって事くらい?



そして……メガネも掛けてない。


もしかして、コンタクトとか?


その顔が……珍しく今回はあたしに怒ってるみたい。


顔が怖いし。



「……何してるの?
病院抜け出して」



高橋は珍しく低い抑揚の無い声であたしに聞く。





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