【完結】先生との恋
あたしはニッコリ笑って高橋に言ってやった。
これまで以上に気を付けて発作を起こさないように行動しないといけない。
高橋なんかに手術させないようにしないと。
「こらっ、心!」
後ろからお母さんがあたしの頭を叩く。
いったいなぁ。
あたしは頭を押さえながら声に出さずに無言で後ろに立っているお母さんを振り返って見る。
だって本当の事だもん。
もし手術をするなら、自分の命を預けるなら。
誰だって若いくて経験の浅い医者よりもベテランの医者の方が良いに決まってる。
下手したらあたしは高橋の練習か?って思うし。
手術はしない。
高橋なんかにあたしの命は預けない。
「……そんなに元気なら安心ですね。検査が終われば退院でしょう。それでは、失礼します」
笑いながらそう言うと清水先生は部屋を出ていった。
高橋も頭を下げて清水先生に続いて部屋を出ていこうとする。