【完結】先生との恋


「あっ、高橋先生!」


お母さんが思い出したかのようにいきなり高橋を呼び止めた。


話が終わったし、横になろうとしていたあたしも動きを止めて立ち止まった高橋の方を見る。

「はい」




高橋が振り返ってお母さんを見る。

「いつも心がワガママばかり言ってすみません」



「お母さん!」



いきなり何を言いだすかと思ったら……。


余計な事を言わないでよ!




お母さんから高橋に目を向けると……高橋は何故か笑ってるし。

―――何がおかしいのよ。


あたしにはあんまり見せないくせに……お母さんにはヘラヘラしちゃってさ。



別に高橋の笑顔が見たいって訳じゃないけど!

「……いつも元気で僕も岡本さんから元気をもらってますよ」



高橋は笑顔のままあたしを見る。

胡散臭いその笑顔を、睨み付けた。



……嘘つき。

あたしのせいで疲れているくせに。



言えば良いじゃん。

“抜け出されて困ります”って。



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