【完結】先生との恋
問題児で。
「……可愛いと思いますよ?」
「マジ?」
「キャーッ!!」
少し考えたような間の後、ゆっくりと答えた高橋の言葉に、興奮するあさみ達は声が大きくなる。
それに慌てた高橋が 「しーっ」って言ってるし。
慌てて2人が口を手で覆って喜んでいる姿を見ながら……
なんか不満。
あたしは行動力、元気が良くてあさみや椿は可愛いねぇ。
別にあたしも可愛いって言われたかった訳じゃないけど、なんかムカつく。
行動力と、元気。
そこしか言えるような所が無かったのか、とも思うし。
それに元気、じゃないし。
病気持ってんだから。
退院したいのにここに入れられてるんだから。
―――もっと他に……ねぇ。
完全に蚊帳の外なあたしは、ちょっと席を外そうと立ち上がった。
このままここにいて会話を聞いていても良い思いはしないだろうから。
「岡本さん?」
「……飲み物買ってくる」
すぐに反応する高橋に溜息が出る。
心配しなくてもこの状況でまた抜け出したりはしないよ。
あさみや椿もここにいるんだし。
あたしはそれだけ言うと、早足で病室を出た。