【完結】先生との恋



「どうぞ」



高橋は清水先生みたいな穏やかな笑顔であたしが質問するのを待っている。


その笑顔も清水先生直伝なのだろうか。



「……あたしに手術して欲しい?」

さっきこういう話は止めてってあたしから高橋に言ったばっかりだったけど。

急に聞きたくなった。

「勿論ですよ!?」


当たり前だと即答した高橋。



「……何で?」


いつも「あたしに手術して」、「どうして嫌なの?」そう聞いてくる先生達。



あたしは逆に、

「どうして手術させたいの?」そう聞きたかった。

嫌がるのに手術させて、それで患者は皆幸せなのかな。



あたしは、今手術しても幸せにはならないと思うから。



手術しようがしまいが、今までも。


そしてこの先も。



普通の人のように楽しんで生きていくことはできない。



それが分かっているのに、更に痛い思いを、手術をさせようとするの?










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