恋人は心の中に
やっとお昼になり私は小原さんを車椅子に乗せて散歩に出かけた。

「小原さんいい天気ですね〜やっぱり散歩は気持ちいいですよね?」

「そうじゃな〜そよ風が吹いて気持ちいいわ」

「北さんわしわいつも空を眺めて考えるんじゃよ」

「考えるって?」

「あの世に行った人たちが暮らしている事をじゃ向こうの世界でもここみたいに暮らしている。そう考えると全然寂しくないんじゃよ」

「北さんは誰の事を考えてるんですか?」

「彼女の事じゃ、いや正確には彼女になる前の人だがの」
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