恋人は心の中に
「小原さんはそれで誰とも結婚しなかったんですか?」

「あぁー、それがわしにできる最後の償いじゃからな」

「あかねさん絶対に喜びますよ、好きな人が自分を待ってるなんてすごい嬉しいですもん」

「そう言ってもらえると助かるよありがとうな北さん」

「風も強くなったし戻りましょうか?」

「そうじゃな戻ろうかの」

私は小原さんを押して病室に戻った。

「小原さん着きましたよ〜、小原さん?小原さん?」

小原さんはそれきり目を覚まさなかった。
その顔は笑顔だった。
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