ダチュラな私。

沢山の初めて



私の家と一成の家の中間地点にある公園。

この辺りには遊ぶ場所があまりないので、今日も近所の子供達が遊具で楽しんでいた。


日射病にならないよう木陰のベンチに座る。

子供達が遊ぶ姿を眺めていると、小さい頃の双子の姿に重なった。

二人がブランコをこいでいる姿を思い返しながら、私はカバンの中から鏡を取り出した。


クッキリと引いたアイライン。
多めに重ねたマスカラ。
いつもより丁寧に塗ったグロス。

“丁寧に化粧をすると、いつもより強い自分になれる気がする”

前に聖羅がそう言っていたことを思い出したので、鏡に映る私はいつもより少しだけ派手な印象だった。


髪の隙間から見える耳元では、虎にもらったピアスが揺れている。

スワロフスキーやビーズの花が、揺れるたびにキラキラと輝いていた。
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