【実話】アタシの値段~a period~





彼女が帰ったのは
その次の日の朝だった。


いつまで居ても構わない、そう言ったにも関わらず。


もう帰るね、

と笑って出て行った彼女に、帰る場所があるのかどうか

俺には分からない。


帰り際に

またね、

と言ったその言葉だけで、これで最後ではない、という安心感があった。


だから引き止めなかった。


自分が引き止められる立場にいない事はわかっていたし、


何より、聞いても彼女は上手くはぐらかしただろうから。




< 127 / 480 >

この作品をシェア

pagetop