【実話】アタシの値段~a period~
『帰ってよ……。』
「今帰ったら、俺らはもう終わるだろ…」
間違なくそうなるだろう。
それだけは嫌だ…。
『いいから帰って!!』
いつもは
笑っている時でさえも
どこか感情を込めずに、強弱のない喋り方をするユキが
声を荒げたのは、初めてのことだった。
けれど、俺は引けなかった。
帰りたくなかった。
終わりには、したくなかった。
「なぁ、ユキ………」
なんとか話しをしようと
そう、言いかけた時だった………