【実話】アタシの値段~a period~
『なんで帰らないの？』
声をいつもの音調に戻したユキは、
いや、いつもよりは冷めていたが
俺の言葉を遮るように、そう聞いて。
ふふっと口角だけを歪め
『あぁ、そっか。』
と下目で俺を見ながら。
『する？いいよ。
アタシ、5万円。』
そう言って
俺の顔の前にひらひらと掌を差し出した。
あぁ
終わった
ユキの言葉は
二人の終わりを意味し、
こんな言葉まで言わせてしまった自分が
ユキに相応しくないことも知った………
